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私たちの想い
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児童養護施設を退所した子どもたちが直面する現実は、とても厳しいものです。

保証人がいないために家が借りられない。
貯金がないまま社会に出され、生活のやり方もわからない。
1ヶ月の生活費のやりくりを一度も経験しないまま、18歳で“自力で生きる”ことを求められる。

そんな状況では、一度つまずいたら立ち直ることは本当に難しく、
現実として、間違った世界に流れてしまう子どもが後を絶ちません。

男の子はホストや反社、違法な仕事へ。
女の子はキャバクラや風俗などに頼らざるを得なくなることもあります。

さらに、ある施設の現場の声では、
「退所した子どもたちのうち、連絡がつかなくなる子が8割を超える時期もある」
と言われています。

それほどまでに、退所後の子どもたちは社会の中で見えなくなりやすく
助けを求める術もなく、静かに姿を消してしまう子が多いという現実があります。

私たちは、この現実を変えたいと心から願っています。

退所した瞬間に突き放されるのではなく、
施設にいる段階から、社会に出る準備を一緒にできる関係が必要です。

職員や同級生とは違う、
「本音を言える大人」「離れていかない大人」とのつながりを、子どもたちに持ってほしい。

18歳で急に放り出されるのではなく、
未来の選択肢と、生きていくための知識を、
一緒に積み上げられる環境をつくりたい。

そして、退所した後も
つまずいた時に立ち止まれる場所
助けてと言える場所
帰れる場所
を必ず残しておきたいと思っています。

自分の夢を諦めてしまう子が多いからこそ、
夢を語れる空間

挑戦を応援してくれる大人が必要です。
家族に頼れない子ほど、施設にいる間に自分の人生と向き合うきっかけが必要です。

孤独に耐えられないのなら、
「仲間がいる」
「信じてくれる大人がいる」
そんな安心を届けたい。

Feliceto は、
一人で頑張り続けてきた子どもたちに寄り添い、
必要な時には手を差し伸べ、
置いていかない・離れていかない存在でありたい。

子どもたちが過去に縛られず、
未来を自分の力で切り開けるように支える、
そんな優しい世界を作りたいと願っています。

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アンカー 1

​児童養護施設出身の武山綾香の想い

小学1年生で児童養護施設に入り、
母と離れた寂しさや不安を胸に、
周りの人の顔色を見て嫌われないように生きることが当たり前になっていました。

退所後は頼れる大人も帰る場所もなく、
自分を守る力もないまま夜の世界へ足を踏み入れました。

そこは華やかで、人もお金もあふれていて、
“お金を払えば寂しさをごまかせる世界”
でも、どれだけ人に囲まれていても心の孤独は埋まりませんでした。
そして本当に欲しかった「安心」や「居場所」ではありませんでした。

人に裏切られたり傷つけられたり、
それでも離れていかれることが怖くて、
必死に人に合わせて生きていました。

「私が本音を出したら、きっと見捨てられる」
そう思いながら。

けれど、どんなに取り繕っても、
心の奥の寂しさは消えませんでした。

自己肯定感の低さや人への依存
お金・人間関係・暴力・裏切り…
何度もつらい経験をしながら、
「私なんて誰にも必要とされない」と思っていた時期もあります。

でも、どんなに迷っても、私は人に愛されたかった
そしてどこかでずっと願っていました。
「いつか、私を諦めないで向き合ってくれる人に出会いたい」と。

その願いを胸に、少しずつ気持ちを言葉にし、
人と向き合う努力を続ける中で、
私はやっと自分自身を大切にすることを学び始めました。

過去には
「親から愛されてないお前が誰の相談を聞けるんだ」
と言われたこともあります。

あの時は深く傷つき、自分の未来を閉ざそうとしたけれど、
いまははっきり思います。

私だから寄り添える人がいる。
私にしか見えない景色がある。

つらい経験をしてきたからこそ、
誰かの気持ちの痛みに気づけるし、
言葉にならないSOSにも気づける。

そして私は、ありのままの自分でいいのだと、
ダメなところも含めて愛していいのだと、
人との出会いの中で教えてもらいました。

だから私は、
「ありのままでいられる場所」
「自分を好きになるきっかけが生まれる場所」
をつくりたいと思っています。

誰かを支えるだけでなく、
時には誰かに支えてもらいながら、
年齢も立場も関係なく フラットに助け合える関係を広げていきたい。

私の人生はこれからも、
たくさんの人との出会いで変わっていくと思います。
そしてその変化を、皆さんとも分かち合っていきたい。

ひとりじゃない。
どんな過去があっても、未来は変えられる。
人との繋がりは、人生をもう一度始めさせてくれる。

そんな願いを込めて、
これからもプロジェクトや活動を通して
“帰れる場所”を一緒につくっていきたいと思っています。

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